大学病院や総合病院など多数の部署がある大規模病院では、看護師の異動は当たり前のように行われる。異動の頻度は病院によって異なるが、3～4年が一般的だ。ただ、やむを得ない事情などがあると1年程度で異動するケースも少なくない。さらに、異動となる理由も病院によって異なる。職場環境を変えて看護師のスキルアップを図りたいと異動させる病院もあれば、同じ病棟で働き続けることによる慣れで医療事故発生のリスク上昇を懸念して異動させる病院もあるのだ。一方、強制的な異動はないとのスタンスを見せている病院は多いが、それは建前だとも言われている。

誰かの要望を聞けば、自分の要望にも応えて欲しいと考える人も出てくるだろう。全員の異動を考える必要が出てきた場合、それではいつまで経っても異動ができない。病院全体に迷惑をかける可能性もあるため、拒否はできないというのが病院側の本音だ。しかし、育児や介護などの理由でどうしても異動の打診に応じられないこともあるだろう。この場合、要望が受け入れられないことを理解したうえで、異動に応じられない旨を上司などに相談してみるのが良い。誰もが納得できるような理由であれば、特例として異動を取り消してくれる可能性もある。しかし、異動の打診を拒否できた例はそれほど多くない。そのため、納得できない異動であっても、異動先で新しいスキルやキャリアが身につく可能性があるなど、プラス思考で異動することが大切と言えるだろう。